京都金杯 in 中京

ドゥアイズ

堅実な走りで掲示板を外すことが少ない善戦ホースとして知られるが、今度こそタイトルを手にすることができるか。今回は初めてレジェンド武豊騎手を鞍上に迎え、陣営の期待も高まっている。

最終追い切りは栗東CWコースで行われ、単走ながら5ハロン68秒1-11秒3をマーク。庄野調教師は「間隔が詰まっているのでしまい重点にしたが、見た目以上に良い時計が出た。状態は安定しており、手脚もしっかり伸びている」と納得の表情を浮かべた。

ドゥアイズは2歳時から一線級で活躍し、阪神JF3着や桜花賞5着などの実績を持つ。特に1600mは得意条件で、今回の舞台でも期待がかかる。一方で、重賞で2~5着が計8回と惜敗が続いており、「もうワンパンチ欲しい」という陣営の声が課題として挙げられる。

前走のターコイズS(G3)は休み明けながら3着。外枠の不利もありながら堅実な走りを見せた。助手は「前回を使ってガスが抜け、落ち着きが出てきた。雰囲気は良い」と心身の充実ぶりを強調している。初の中京コースについては「左回りは問題ない。スタートが鍵になる」とのこと。

ウォーターリヒト

前走のキャピタルS(リステッド)を含めた2連勝で、ついに重賞初制覇の舞台にたどり着いた。2日の最終追い切りでは、栗東坂路で4ハロン55秒4-12秒0を記録。しまい重点の内容ながら、鋭い伸びを見せた。河内調教師は「動きは良かったですね。ここにきて馬体がしっかりしてきた感じで、徐々に完成されつつある」と満足げな表情を浮かべる。

昨春にはシンザン記念3着、きさらぎ賞2着とクラシック前哨戦で実績を残したが、その後は課題が浮き彫りに。「中山のようなカーブの多いコースは合わなかった」と振り返る河内調教師だが、秋以降の左回りマイル戦で一気に本格化した。特に東京での2走前には、上がり32秒8の切れ味を披露。これまでのキャリアで築いた成長曲線が、この馬を重賞タイトルへ導こうとしている。

今回のハンデは57キロ。別定戦だった前走よりも1キロ増える点について、河内師は「少し見込まれたが、うまくさばければ問題ない」と前向き。田辺騎手とは2戦2勝の好相性。「左回りの1600メートルはこの馬に合っている」と鞍上も自信ありげ。

シャドウフューリー

約2年ぶりの右回り戦だった前走リゲルS(リステッド)を快勝し、初の重賞挑戦に臨む。最終追い切りは栗東坂路で軽めの単走。4ハロン54秒0-12秒7と、馬なりながらダイナミックな走りを披露した。杉山晴師は「予定通りの調整ができており、出来落ちはありません。中京コースも問題ないでしょう」と順調な仕上がりを強調する。

全5勝中4勝を左回りで挙げており、中京マイルでも【1-2-1-0】と抜群の適性を誇る。「左回りに替わるのはプラスです。初の重賞挑戦で相手関係は鍵となりますが、いい競馬をしてほしい」と指揮官。

ゴールデンシロップ

前走のオーロCで15番人気ながら大外一気の末脚を繰り出し、3連単192万円超の波乱を演出した。最終追い切りでは美浦ウッドコースで6ハロン84秒2-11秒9をマーク。7馬身先行する僚馬を楽々と半馬身かわして先着するなど、活気ある動きを披露した。鈴木慎師も「いい状態をキープできている」と仕上がりの良さを強調する。

前走の勝利について指揮官は「やれる手応えは常にあった。シュトラウスの完璧な競馬を差し切った内容は強かった」と回顧。加えて「中京の荒れた馬場や、東京と似たコース形態は合うと思う」と舞台適性にも自信。原騎手にとっても重賞初制覇のチャンスとなるこの一戦で、再びファンを驚かせるようなパフォーマンスを見せることができるか。

コレペティトール

昨年の京都金杯を鮮やかな末脚で制し、連覇を目指して舞台を中京に移し再挑戦する。ここ5戦で馬券圏外が続く中、関係者の期待は復調の兆しにかかっている。

最終追い切りでは、実戦でも手綱を取る柴田裕騎手が栗東坂路で単走を消化。4ハロン52秒8-12秒4を計時し、力強い動きを見せた。中竹調教師は「動きは良かったし、状態もいい。ただ、近走の不振が続いている中で浮上のきっかけを掴んでほしい」と復活を願うコメント。

好材料としては、冬の寒い時季に強い「冬馬」らしい適性が挙げられる。過去の5勝中4勝が11月から1月に集中しており、今回も得意な季節でのレースとなる。また、中京コースの左回りマイルへの適性についても、「舞台は問題ない」と指揮官。

フィールシンパシー

前走のターコイズステークスでは7着に敗れたものの、勝ち馬との差はわずか0.2秒と大きく離されておらず、今回の舞台で巻き返しを図る。

31日に美浦坂路で消化。4ハロン53秒6-12秒5と鋭い動きを見せた。小島調教師は「間隔が詰まっているが、うまく疲れが取れて次の段階に進めている。状態は良くなっている」と語り、順調な仕上がりを強調。毛ヅヤの良さも目を引き、好調を感じさせる。

鞍上には坂井瑠星騎手を迎える。約3年ぶりの再タッグとなるが、調教師も「坂井騎手との相性の良さが結果に繋がれば」と期待を寄せる。坂井騎手は前週の東京大賞典を制し勢いに乗っており、関係者もこの若き名手の手腕に大きな期待をかけている。左回りマイルは未経験だが、小島師は「ハンデ54キロで挑めるのは恵まれた条件。コースも問題ないだろう」とのこと。

アスクコンナモンダ

調教ではCWコースでの調整を経て坂路入り。ゆったりとしたフットワークで4ハロン60秒0とスムーズな動きを見せた。その後、仕上げの坂路調教では4ハロン53秒5-12秒4を馬なりで記録し、適度な前進気勢とパワフルな脚さばきが目を引いた。

助手は「短期放牧を挟んで順調に仕上がり、調教では変わらず良い動きを見せている」と仕上がりに自信。さらに、「前走(キャピタルS=5着)は展開が向かなかったが、この馬なりにレースが上手になってきている」と前進を期待する。

舞台となる中京競馬場は、アスクコンナモンダにとって好相性のコース。これまで5戦4勝と圧倒的な成績を残しており、2走前にはリステッド競走のポートアイランドステークスを制している。「コース適性には自信がある。得意の条件で良い競馬を期待しています」と関係者の期待は高い。

サクラトゥジュール

再びレイチェル・キング騎手とのコンビを結成する。このコンビは昨年の東京新聞杯で鮮やかな勝利を収めた実績があり、再び重賞の舞台で期待がかかる。

2日に来日したキング騎手は、3日に美浦トレセンで調教に騎乗。「昨年は日本競馬で多くのサポートを受けた。今年はさらに勝利を増やしたい」と意気込みを語った。キング騎手は、日本を含む3か国での騎乗経験を活かして着実に腕を上げており、今回の短期免許期間中も大きな成果を目指している。

サクラトゥジュールはこれまでのキャリアで重賞1勝を含む安定した成績を残しており、マイル戦での適性は十分。前走ではやや精彩を欠いたが、過去には京都金杯と同条件のコースで好走した実績もある。堀調教師は「今回の調整も順調で、舞台設定には自信がある。キング騎手とのコンビ復活は大きなプラス」と、レースへの期待を述べた。

一方で課題も見逃せない。年齢を重ねたことで瞬発力や持久力に影響が出ている可能性があり、若手勢の勢いに対抗するには展開の助けが必要だ。堀厩舎スタッフは「年齢的な衰えを感じさせない仕上がりだが、ペース次第では苦しい場面もあるかもしれない」と、慎重な見方を示した。

レース当日は再びキング騎手の的確な判断力が問われることになるだろう。戦略としては中団からの鋭い差し脚を活かす形が有力視されており、直線での伸びが勝敗を分ける鍵となりそうだ。

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